伐られる前夜に自ら立ち直った起き松
どんな伝承か
芝山町の観音教寺境内にある松の話。文化二年の春、境内に三重塔を建てようと場所を選んだところ、一本の松の大木が斜めに傾いていて工事の邪魔になった。そこでこの松を伐ろうとしたら、一夜のうちに幹がまっすぐに立ち直り、枝はすべて北を向いたので、起き松と呼ばれるようになったという。八千代市阿蘇にも起り木と呼ばれる樫があり、倒れて往来の妨げになるので村人が伐る相談をしていたその夜に人の声がし、翌朝には大木が自ら起き上がっていたと伝える。
原典より
山武郡芝山町の観音教寺境内にある。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。