鹿野山のうわばみ
どんな伝承か
君津市の鹿野山では、毎年のように人が姿を消し、ヒヒの仕業ではないかと恐れられていた。寛政三年の夏、煙草を担いだ商人が山裾を通りかかると、不気味な地鳴りとともに大きな蛇が現れ、丸呑みにしようと迫ってきた。商人は木の洞へ身を押し込んだものの、背の荷がつかえて入りきらず、煙草だけを噛みちぎられた。蛇はそのまま姿を消し、商人は命拾いして家路を急いだ。数十日の後、村人が蛇の死骸を見つける。頭は四斗樽ほどもあり、ひどい臭気を放っていたので、煙草の毒にあたったのだろうと噂されたという。『潭海』に載る話である。
原典より
君津市にある鹿野山のうわばみの話が、「潭海」に書かれている。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
平野馨編『房総の伝説』を全245話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。