沼の主の大鰻を供養した鰻塚
どんな伝承か
都部の正泉寺に鰻塚がある。近くの根戸新田の漁師八郎左衛門が、手賀沼で長さ六尺以上、重さ三貫目もある大鰻を捕らえた。あまりに大きくて買い手がつかないまま鰻は死んでしまったが、その後まもなく八郎左衛門が死ぬなど不幸が重なったので、あの大鰻は沼の主でその祟りに違いないと言い、供養のために建てたのが鰻塚だという。八郎左衛門の娘マンは生涯結婚せずにこの塚を守り、以後この家は安泰で、分家にも長命の人が多くなったと伝えられる。
原典より
これは近くにある同市根戸新田の漁師八郎左衛門という人が、手賀沼から長さ六尺以上、重さ三貫目もあるという大きな鰻をつかまえた。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。