祟りを鎮めて長寿を招いた鰻塚
どんな伝承か
我孫子市の根戸新田には鰻塚がある。むかし八郎左ヱ門という人が、長さ一・五メートル、渡し舟いっぱいほどもある大きな鰻を捕らえた。ところがそれからさまざまな祟りが起こり、恐ろしくなった八郎左ヱ門は鰻を土に埋めて塚を築いた。すると憂いはすっかり消えたという。娘のマンは生涯嫁がず、この塚を守り続けた。以後、八郎左ヱ門の家の者はもちろん分家の者まで、九十歳まで生きる人が多くなったと伝えられ、この言い伝えは県教育委員会の民俗調査でも確かめられている。
原典より
土用の丑の日は鰻にとっては厄日である。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。