義経を慕って岩になった犬
どんな伝承か
銚子市の犬吠崎から名洗にかけては、なぜか源義経にまつわる伝えが目につく。銚子市史などによれば、兄頼朝の追手を逃れて奥州を目指した義経は、銚子から船に乗って海を北へ向かったという。外川浦にある犬岩は、義経が従臣とともに船出したとき、岸に置き去りにされた愛犬が化した巨岩だと語られる。犬は主を慕って七日七夜ほえ続け、そこから犬吠の地名が生まれたともいう。もっとも市史は、この一帯が頼朝の忠臣千葉常胤や東氏、海上氏の領地で義経には最も危うい土地だとして、この説を退けている。
原典より
源義経の伝説地は多いが、銚子市の犬吠崎から名洗にかけてなぜか目立つ。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。