証誠寺のたぬきばやし
どんな伝承か
木更津市富士見の証誠寺は、富津岬から船橋市までの東京湾岸ではただ一つの浄土真宗の寺だという。この寺には、房総を代表する民話といえる「たぬきばやし」の話が伝わり、境内には「たぬき塚」まである。今は市街地の中にあって想像しにくいが、昔は鈴森と呼ばれ、松や笹が生い茂っていたという。ある月夜の晩、学芸を好んだ和尚が三味線を弾くと、寺に住みついていたたぬきたちがそれに合わせて腹鼓を打ち、大騒ぎをした。これが言い伝えに残る「たぬきばやし」のあらましである。
原典より
木更津市富士見にある証誠寺は、千葉県の富津岬から船橋市までの東京湾岸では唯一の浄土真宗の寺だという。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
『房総の年輪』は、房総各地の伝説・昔話・信仰の伝承地を一項ずつ取り上げた短い文章を集めたもので、著者と刊行の事情は原典に記されていない。香取の要石や真間の手古奈堂、松虫姫、源頼朝や義経の伝説地、沈鐘伝説、椀貸伝説、河童や天狗、海の怪異「もうれん」などを、『譚海』『上総国誌稿』や市町村の民話集を引きながら所在地とともに記す。各項は読み切りの小文で、昭和四十五年と四十七年の年頭に書かれた項を含む。