布施村に伝わる鳥追いの祝詞
どんな伝承か
布施村の鳥追いの祝詞は、その声色と歌詞によっていろいろに歌われてきた。「舞ひ込んだ、舞ひ込んだ、お宝が舞い込んだ。千両・万両儲けて蔵建てて」と囃し、また「へーの八つのへーへー、子持鳥が寝てゐて、たち鳥に追ひつ飛ばされて」とも歌う。この地に布施行が下った頃の遺風だと言われている。一説に鳥追いは五穀を妨げる鳥を追う呪唄であり、『日本書紀』の保食神の条に五穀の起こりが見え、崇神紀には御諸山の嶺から網を張って粟を食う雀を逐ったとある。当時歌われた鳥追いの祝詞は「青陽唱話」に長く記載されている。
原典より
鳥追ひの祝詞は、その声色と、歌詞とに因つて、いろいろに歌つてきた。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年))
『日本伝説叢書 上総の巻』は、藤沢衛彦が大正六年に編んだ上総国の伝説集である。夷隅・長生・山武・市原・君津の五郡にわたり、地名の由来、社寺の縁起、城と武将の事跡、大蛇や狐つきの怪異、俚謡や民間の風俗を、口碑や『総国誌』などの地誌から集める。巻頭に著者の序と緒言を置き、上総国と郡の名義を説いたのち、郡ごとに町村の所在を添えた見出しで一話ずつ並べる。