刑部の日待ち
どんな伝承か
二宮や豊菊のあたりでは、刑部の者が常のように遊んでいるのを「今日は刑部の日待ちだ」と言っている。この地の人は目端が非常に鋭く、何かの事故にも目端目端と言っては仕事を休んだところ、それが習癖になって、つい遊びたくなる。ただ遊びたくなる時にはとかく尻が落ち着かない。「刑部の日待ち」はこうして生まれた俚諺であった。一説には、刑部の祭礼の日は賑やかで野次馬が多いところから出たともいう。ところが同じことを刑部では「高瀧の日待ち」と言う。高瀧の祭礼には神輿が出、時には競馬もあって、見物衆は遠く庁南・茂原・大多喜あたりから集まる。それほど盛大なので刑部の人達も尻をむずむずさせたのであろう。
原典より
二宮、豊菊あたり、刑部の常いのを、『今日は刑部の日待ちだ。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定))
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 上総の巻』を全218話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。