牛袋の番太郎
どんな伝承か
望陀、今の木更津市牛袋の番太郎は、筋目の正しくない卑しい身分の者であった。ある時、合戦があり、牛袋の百姓たちは地頭所へ賦役に出ることを恐れて、この番太郎に頼んで代わりに出てもらった。番太郎はなかなかの働き者で軍中でもよく働き、ついに抜群の手柄を立てたので、大将は相応の位置に取り立てようと、どの百姓の子かと尋ねられた。番太郎が頭を振って卑しい者であると答えると、地頭は思召しを差し控え、系図の正しくない者を官に記したとの咎めを受けた。それでも以来、番太郎は村の中程の位置に置かれ、里の上座たるべしと仰せを蒙ったという。
原典より
望陀(今の木更津市牛袋)の番太郎は、番太郎でも、筋目の正しくない、卑しい身分の者であつた。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定))
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 上総の巻』を全218話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。