蟹ヶ池
どんな伝承か
君津郡清川村長須賀の東、菅生村の地にある蟹ヶ池は、周り八十余歩の小池で、池中の小島に弁財天が祀られている。深くはないが、どれほど日照りが続いても、汲み干してしまっても、一夜を経ればもとのようになるので、村民はたいそう貴重にしている。昔、源頼朝が安房から上って鎌倉へ向かう途中、この池の畔で餉を食べた。箸がなかったので笹を折って箸としたところ、誤ってこの池の蟹を傷つけてしまった。頼朝はこれを憐れんで放生の意を池に注いだので、それから蟹ヶ池には蟹が生えなくなったという。
原典より
長須賀区の東が、菅生村の地にある蟹ヶ池は、周り八十余歩の小池に伝へらるるもので、池中に小島があつて、弁財天が祀られてゐる。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定))
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 上総の巻』を全218話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。