船が帆を下ろして敬った寒川神社
どんな伝承か
千葉町寒川にある寒川神社は、「延喜式」の古社であると伝えられている。祭神は天照皇大神・寒川比古命・寒川比売命・対馬守命を併せ祀る。口碑によれば、昔は諸家の船や当領の領主が当社の沿岸を通行する際、旗を立て、帆を半ばに降ろして敬いの意を表すのが常であったという。現在の社殿は、明治十三年九月二十一日に焼失した旧殿宇に代えて、明治三十三年に再建されたものである。大正十一年二月二十二日の暴風では松が倒れ、新たに遷座した。「旧事考」は寒川神社を寒川三村にある三明神であろうとする。祭日は七月九日と二十一日の両日である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。