竹の根が耳を貫いた妻と耳竹塚
どんな伝承か
上加茂村青柳の長田高下での話。里人の藤田五郎は、妻の死から三、四年ののち、その墓の辺りで女の泣き声がするので墓を掘り返してみた。すると竹の根が死骸の右耳から左耳へ貫いていた。これを取り除いて改葬したところ、以後ここに参ると耳の病がことごとく治るというので、碑を立てて耳竹塚と称し参拝する者があるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。