夜ごと踊って場所を変える松
どんな伝承か
大鋸屋の池川の東の山に、古い松が五十本ほど生えている。下は芝地で、この松は夜ごとに踊って自分から輪を描いて回り、南にあった木が北へ、東の木が西へと移ってしまう。いつ行って見ても、同じ形の松が同じ場所に立っていることはないと伝えられる。なお同じ踊松の名は兵庫県武庫郡本庄村深江にもあり、稲荷の神幣が浦へ流れ着いたのを松の下に迎え、踊りを拍子にして神を慰めたという。
原典より
池川の東の山に古松五十本ばかりある。—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。