火難を鎮めた愛宕祈願の神楽坂
どんな伝承か
北桑田郡宮島村の原、船井郡五ヶ荘村佐々江へ通じる道に神楽阪がある。文明五年の夏から秋にかけて野々村一庄では火災が相次いだ。託宣により、愛宕山を拝することのできるこの地点で神楽を奏し愛宕明神に祈願したところ、火難は鎮まったという。その後は毎年正月・五月・九月の二十四日に神楽を供えて参拝したが、これを怠るとふたたび火災が増えたので、天正二年に堂を改築し、年に一度神楽を奏することにしたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。