夕暮れの畑を木の葉のように走るケンムン
どんな伝承か
五十年ほど前、話者の父がよく話していたこと。十二月ごろの夕方七時ごろ、下にある畑へ父が行くと、赤い小さな子どもがあっちへ走りこっちへ走り、木の葉が舞うように駆け回っていた。十分ほど見ているうちに、どこへ行ったかわからなくなった。頭はおかっぱで、あれがケンムンだったのだろうと父は言っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。