上猿ヶ石川で見た体の赤い河童
どんな伝承か
数年前、昭和四十七年に放送されたNHKの番組『新日本紀行』に、河童の目撃者が登場した。藤田福蔵という年寄りで、子供の頃に友達と二人で、早池川から流れ出る上猿ヶ石川で普通の犬ほどの大きさの河童を見たという。黒い頭で猫のような面付きをしており、体は赤かった。その生き物は流れを横切って、向こう岸の柳の下の深みへ沈んでいったそうである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。