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欅の根を川へ引き込んだ水くも

所在地宮城県牡鹿郡女川町
年代現代
登場岩崎としゑ、松谷みよ子
出典現代民話考 1 河童・天狗・神かくし

どんな伝承か

宮城県牡鹿郡女川町の話である。明治になってからのこと、留じんつぁんという五、六十の男が仲間三人で炭焼きをしていた。空の真っ黒な日に二人が石巻と渡波へ用足しに出たので、留さんは一人で釣りに出た。自分の釣場の欅の根に体をもたせて釣っていると、餌ばかり取られ、くもが足の親指と次の指に糸を巻きつける。うるさいので糸を欅の枝に掛け替えると、やがて根がめりめりと鳴り、掛けた糸がぴんと張って、大きな根がずぶずぶと川へ引き込まれ、水底に沈んでしまった。留さんは夢中で家まで走り、布団をかぶって三日寝込んだ。あれは河童だと言う人もあったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。

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