花祭の夜に山々へ灯る天狗の火
どんな伝承か
北設楽郡東栄町(きたしたら、と読む)に伝わる話である。正月に行われる花祭りの夜、山々のあちこちに天狗の火と呼ばれる光が点るのが見えたという。この話は昭和三十六年ごろ、村の人から聞き取られたもので、東京都在住の松谷みよ子がこれを報告している。同じ北設楽郡内では上津具村や長篠村などでも似たような天狗の火の目撃談が伝えられており、山中に不思議な火が現れる伝承は各地に広く分布している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。