炭小屋を揺らす落石とむじなの足跡
どんな伝承か
岐阜県吉城郡国府町の古峠の奥で炭焼きをしていたときの話。夜更けに炭俵に腰かけて一服していると、山の上から転がってきた石が炭小屋の壁に当たった。春先で凍みが解けて落ちてくるのだろうと思っていたが、石はしだいに大きくなり、壁に当たるたびに小屋が大きく揺れる。つぶされてはたまらないと、あちこちを押さえているうちに夜が白み、落ちてくる石もなくなった。外へ出てみると石はひとつも落ちておらず、小屋のまわりの雪はむじなの足跡だらけだったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年))
『現代民話考 11 狸・むじな』は、松谷みよ子が一九九五年(平成七年)に編んだ現代民話の資料集である。明治から現代までに各地で語られた狸・むじなの話を、聞き書き、読者の回答、郷土誌や民話集、新聞記事から集める。狸火、腹つづみ、音まね、いたずら、化かし、たたり、人助け、戦争にいった狸、今の暮しなど十二の部に分け、話例ごとに本文と類話の「分布」を添え、巻頭に序文と前文、巻末にあとがきを置く。