三本松の上に出た偽りの月
どんな伝承か
多摩市での話である。三本松で運動会があり、片づけを終えた者たちがクラブから引き上げてきた。薄暗くなったころ、月が上がったから早く帰ろうと誰かが言い、皆もそう言い合った。だが、よく考えれば月は別の方角から上がるはずで、三本松の側に出るわけがない。一人の見間違いではなく、大勢がそろって同じように騒いだのだという。四月三日の出来事だと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 11 狸・むじな』を小話単位で全376話収録。狸・むじなにまつわる現代の民話・怪異譚(化かし・化け)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明372話・市区町村判明317話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。