こうもり傘の三人娘に化けた狸
どんな伝承か
かつて教員をしていた語り手が、本校での職員会からの帰り道でのこと。夏の昼日中、暑い道を歩いて帰ると、先を三人のかわいらしい女の子がこうもり傘をさし、涼しそうにしゃべりながら帰っていく。追いつこうとしても、追いついたはずのところでまた三人が同じ格好で前を行く。何度繰り返しても届かない。おかしいと思いながら小泉の地蔵さんのところまで来て「ああえろうなった、水を飲もう」と一服し、大きな声を出したとたん、三人はスポッと消えてしまった。そこで目が覚め、狸に化かされていたのだと分かったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年))
『現代民話考 11 狸・むじな』は、松谷みよ子が一九九五年(平成七年)に編んだ現代民話の資料集である。明治から現代までに各地で語られた狸・むじなの話を、聞き書き、読者の回答、郷土誌や民話集、新聞記事から集める。狸火、腹つづみ、音まね、いたずら、化かし、たたり、人助け、戦争にいった狸、今の暮しなど十二の部に分け、話例ごとに本文と類話の「分布」を添え、巻頭に序文と前文、巻末にあとがきを置く。