見つめると吸い込まれる写真の目
どんな伝承か
夜、音楽室の前を通るとピアノの音が聞こえるという。また、壁に貼ってある写真の目の位置がいつのまにか変わっており、それをじっと一分間見つめ続けていると、紙や写真そのものに吸い込まれてしまうのだという。東京都練馬区の針谷美智子が自らの体験として書き残し、「不思議な世界を考える会」の会報三〇号に掲載された話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。