オビンヅルに納められた怪写真
どんな伝承か
山形県寒河江市での話。一九九〇年八月二十四日、古刹慈恩寺に参ったとき、本殿内の宮殿の裏側に祀られたオビンヅルの前に、写経などとともに古い写真が供えられているのを見つけた。僧に尋ねると、不思議で恐ろしい写真をここに納めるのだという。赤茶けた小さな写真が二枚あり、一枚はぼうっと白く丸いものが写り、中に黒い点が三つ四つ見えた。納めた人には何かが見えるのだという。もう一枚は下に人物が二人写り、その上にしみのように人物が一人、空中に浮き上がって写っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。