父島の隧道に出る看護婦と兵の霊
どんな伝承か
父島には戦時中の砲台やトーチカと呼ばれる地下の穴がそのまま残り、古く長い隧道も何本かある。隧道は野戦病院として使われ、食糧が乏しく飢えた兵が壁にもたれたまま息絶えていったという。そのため島の人からは、隧道の端を歩くのは避けた方がよいと聞かされる。最も長い隧道では、忙しげに行き来する白衣の看護婦の姿が出るといい、第四隧道の入口で写真を撮ると霊が一緒に写ることがあると噂される。島で果てた兵の霊ではないかという。
原典より
回答者・中村博(東京都在住)。—— 現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考・1990年代初期(平成初期))
松谷みよ子『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』を小話単位で全550話収録。心霊写真など写真の怪と、文明開化期の怪異にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明377話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。