盆踊りの夜につながらぬ市外電話
どんな伝承か
昭和三九年頃、当時は市外電話がダイヤル式ではなく、電話局の交換台に申し込んで待つ仕組みだった。伏見区の団地に住んでいた語り手は、盆踊りの日、彦根の祖母が病気だと知らせるハガキを受け取り、赤電話のある駄菓子屋まで娘の手を引いて出向いた。二時間待ってようやく電話が通じたときには、広場の盆踊りはすでに終わっていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。