停電の夜のろうそくの風呂
どんな伝承か
夜、停電になった。語り手が本を読んでいると、しばらくしてぱっと灯がつき、目がちかちかしたので少ししてから本に目を戻そうとしたとたん、すうっと消えた。二度ついたり消えたりした。母は、電気屋さんも昼のうちに直しておけばよいのにと言った。母は御飯をおひつに入れかけ、語り手は本をめくりかけ、寿子は鉛筆を持ったまま、紀子と弟は風呂に入ったままで、みな困ってしまった。仕方なくろうそくをつけて風呂に入ったが、途中でろうそくが消えそうになって気が気でなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。