祖父の合図で消えた電灯
どんな伝承か
昭和初年頃の話。山梨県北都留郡棡原村から、山道を一〇キロ以上越えて母方の祖父がやって来た。語り手の村にも電気がついたころで、朝食のとき祖父が、そろそろ家でお婆さんが合図をすると言った。どうやってと尋ねると、これさと言って電気を指さしたとたん、灯が消えた。あまりの不思議さに山を越えて祖父の村まで行ってみたところ、発電所があって地の底からうなっていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。