つけ方が分からなかった初めての電灯
どんな伝承か
大正三年頃、電灯が初めてついたとき、語り手の家では電灯のつけ方を知らなかった。四〇メートル離れた隣家の、中国電力に勤めていたN氏の家へ行って来てもらい、スイッチをひねって電灯のつけ方を知ったという。そのとき電灯はカムデ(客間)とネマ、それに台所についており、オモテの間とオクの間、居間にはついていなかった。すべての部屋に電灯がついたのは、それから三六年たった、語り手が小学校六年生の昭和二四年五月二〇日のことだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。