三線を弾く亡父の夢と親族の死
どんな伝承か
沖縄県読谷村での話。戦後は火葬が普通になっていたが、父は火葬を嫌い土葬を望んで、昭和三十八年に亡くなった。棺に納めて墓に入れた。それから六、七年たった頃、父の夢を見た。旧盆にガジュマルの下で夕涼みをしていると、姿は見えないのに三味線を弾いて唄う声がする。やがて父の姿が豚小屋の上の土手を這い上がっていき、土がどんどん落ちるのが見えて、怖くて逃げた。旧盆の十六日には、火葬を読谷でするか石川でするかと話す声を夢で聞き、翌日、石川のおじが亡くなったと知らされた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。