木に挟んだ青大将が苦しむ夢
どんな伝承か
水上町藤原での昭和三十一年頃の話。語り手は新潟の海辺の生まれで蛇を知らず、青大将を蝮だと思って捕らえた。帰り道に水があるのを目印にしようと、蛇を割った木に挟んで置いてきたが、違う道を通って帰ってしまい、蛇のことが気にかかって夜も眠れず、かわいそうだと思い続けた。半年して、蛇が苦しんでいる夢を見た。二月十二、三日頃のことである。その頃、水道が止まって水をもらいに行ったところ、東京電力の大きな工事で、雪の重みで安全さくどうがつぶれ、一か月以上も入院した。蛇が苦しんで助けてくださいと夢に出たのだと思い、以来、蛇がいるとあいさつをするようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。