終戦後の食糧難に当たった正夢
どんな伝承か
終戦後は食料が不足していたから、いつも食べることの心配ばかりしていた。戸棚の中の甕に粉がいっぱい入っている夢を見ると、一日か二日して必ず埼玉の田舎から叔父がうどん粉をいっぱい持って来てくれた。砂糖の夢を見れば、何らかのつてで砂糖が手に入って甕がいっぱいになった。あの当時は、そうした正夢をずいぶん見たものだ、と横須賀に住む語り手は語る。必要な食べ物が夢のとおりに現実になることが、たびたびあったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。