はんだいなおしで知られた茄子作りの名人
どんな伝承か
筆者の曽祖父は伊勢松といい、茄子造りの名人であった。その頃、雑司が谷の目白駅の先、学習院の正門から一丁ほどの所に山源という青物問屋があり、伊勢松は毎年その問屋の「はんだいなおし」で有名であったという。はんだいなおしとは問屋へ一番に茄子を出荷することで、その荷は御祝儀相場としてよい値で仕切ってもらえた。それゆえ片山の伊勢松といえば、買い出しに来る八百屋も出荷する農家も皆知っていたという。盆の頃が茄子切りの盛りで、露のあるうちに切り、横櫃という籠に大小を分け、籠二杯を一荷として天秤で担ぎ、一里ばかりの雑司が谷へ二度も三度も運んだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
城西風土記と昔語り(熊沢宗一・昭和初期~昭和中期)