守鶴が示した茂林寺の地と尽きぬ茶釜
どんな伝承か
茂林寺は堀工村にあり、青竜山と号し、開山は大林正通和尚で応永三十三年の創建である。和尚はかつて榛名山の麓で守鶴という僧に出会い、随侍を願われて伴い帰った。館林で草庵を結ぼうとしたが、守鶴の指図でさらに良い地を探し当てたのが今の茂林寺で、池があり松が茂っていた。やがて大衆が千人に及び、守鶴が寺務を執って自ら茶を煎じ与えたが、茶釜は一日中汲んでも尽きなかった。後年、昼寝中の守鶴を呼んでも返事がなく、房を覗くと狐の姿で臥していた。和尚は何も言わなかったが、守鶴は正体を現したことを恥じ、始末を語って去った。茶釜は今も寺に残り、傍らに守鶴の宮があり、池の小洲には常に鶴が来て子を育てるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県史 資料編 27(群馬県史)
『群馬県史 資料編 27』は、群馬県の県史の資料編の一冊で、収めるのはその「第三章 伝説」である。伝説の定義と分類、『神道集』や近世の地誌から明治以降の郡村誌・伝説集に至る県内の調査の歩みを述べ、赤城と日光の神戦、赤堀道元の娘と木部姫の入水、文福茶釜、羊太夫、弘法伝説などを群馬の伝説の特色として論じる。続いて代表例を自然的・社会的・信仰的伝説の三つに分け、各地の口承と古記録を伝承地を添えて並べる。