鋸を当てた途端の大暴風雪と大イチョウ
どんな伝承か
明治四三年頃の話。秋田県山本郡藤里町の藤琴田中にある大イチョウは、初冬のある日に葉が一斉に落ちるといわれ、その落ちるのを見ると不吉であると伝えられていた。あるとき、寺の本堂を建てるにあたり天井板を取るため、この大イチョウを伐採することになった。人々が足場を組み、鋸を木に当てようとしたところ、たちまち大暴風雪となったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。