忌み日の山入りと草を焼いて死んだ男
どんな伝承か
松島町では、一二月八日は神が出ていく日、二月八日は戻る日とされ、どちらの日も怪我をするから山へ入るなと戒められてきた。ある男がその禁を破って山へ入り、木を伐り倒したところ、自分がその下敷きになった。翌日、里の者が探しにいくと、まわりの草が焼けている。男は木の下から抜け出せず、忌み日で山には誰もいないため、山火事を起こして気づかせようと枯れ草へ火を放ったらしい。だが火は広がらず、焼けた草には二度と火がつかない。そうして一夜を明かすうちに息絶えたのだろうと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。