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諏訪社に縄を張った杉さんと明治の大水

所在地埼玉県本庄市下町(生野山)
年代明治四三年
登場杉さん、下町の部落代表者
出典現代民話考 9 (木霊・蛇)

どんな伝承か

下町の鎮守である諏訪神社は、明治四三年の夏まで生野山の中腹に鎮座していた。その境内も部落の物持ちである杉さんの個人所有の土地で、長い間一銭の地代も納められないことに業を煮やした杉さんは、この年、部落の代表と掛け合った。代表は下町には貧しい者が多いと低姿勢で懇願したが、杉さんは社の周囲に縄を張り巡らせて誰も入れないようにした。九月一七日の祭りを控えて部落の者は弱り果て、急遽、田の真中に仮宮を建てた。明治四三年の大水はその直後で、杉さんの裏山は崩れ、家は一夜にして潰され、一家七人が下敷きになって死んだ。お諏訪さまの御神体は大蛇だと語り伝えられ、蛇水の祟りに違いないと噂された。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。

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