博打打ちが売りそこねた阿弥陀
どんな伝承か
昔、檜山に博打好きの若者がいて、毎日丁半ばかり打つうちに銭が一文もなくなった。一晩考えたすえ、阿弥陀さまを売ろうと思いつき、村が寝静まった夜に長く太い縄で仏さまを背負って出かけた。ところが村はずれまで来ると、重くて一歩も進めない。引き返すと軽くなり、また進むと重くなる。三度行き来したところで、背中の仏さまが、自分は檜山を守るのだからどこへも行かないと重々しく告げた。若者は肝をつぶし、元の場所へお返しして丁寧に拝んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
住田町史 第6巻 (民俗編)(住田町史)
『住田町史 第6巻(民俗編)』は、岩手県気仙郡住田町の町史の民俗編から、伝説の節を抜き出したものである。地名・石や岩や水・長者や旧家・社寺や祠堂の四つに分けて、山姥のような老婆と和尚の大股・小股、石にされた姥、河童の頼んだ手紙、櫃割長者の大蛇、座敷わらしなどの言い伝えを収める。世田米・上有住・下有住の集落や山に結びついた話が中心である。