阿弥陀様の耳で鶏の鳴き真似をした子
どんな伝承か
百姓のかみさんが畑の夫に持たせた焼餅が転がり、堂の阿弥陀様の下まで転がり込んだ。取りに入った子どもに阿弥陀様は餅を一つ求め、代わりに日暮れに来れば良いことを教えると言う。夜、子どもは言われるまま膝、腹、肩、耳へと登り、青鬼たちが博打に夢中になったところで阿弥陀様の合図に「コケコッコー」と叫んだ。鬼は夜が明けたと慌てて逃げ、子どもは残された金を全部持ち帰った。隣のかみさんが孫に真似をさせたが、餅は転がらず阿弥陀様も何も言わない。孫が勝手に鳴き真似をすると、子鬼に人間臭いと見つかり、何ももらえず追い出されて足を引きずって帰ったという。
原典より
ある百姓家のおかみさんが、おこじはんにやきもちを焼き、畑にいるおとうのために子どもに持たせた。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。