小館城の黒姫と大沼池の大蛇
どんな伝承か
戦国のころ小館城主高梨政盛の一人娘黒姫は、花見の席で桜から落ちた小蛇に見初められた。やがて侍が城に来て姫を求め、自分は大沼池の主だと明かす。政盛は一晩で堀を二十一回巡れと命じ、ひそかに鉄の垣に刀を結んで待った。大蛇は血まみれで約束を果たしたが、政盛は死んだと思い約束を破った。怒った大蛇は四十八池の主と水を押し流して城に迫ったが、東の箱山に阻まれた。政盛らは姿を消し、黒姫は信濃と越後の境の山の池に身を投げ、以来その山を黒姫と呼ぶ。中野の祇園祭に必ず雨が降るのは黒姫の里帰りのためという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。