くじで身代わりとなった火あぶり観音
どんな伝承か
大平の林道を上った道の上にある観音さんを、火あぶり観音と呼ぶ。大平の上の山は昔、飯山藩の持ち山だった。あるときそこで山火事が起き、犯人探しが始まった。やがて集落の誰かの仕業ではないかと疑われ、真相はわからないまま、殿様から厳しく調べよと迫られて、皆が困り果てた。集落で寄り合った末、くじを作って当たった者を犯人とすることにした。当たりを引いた一人が集落の身代わりとなって火あぶりの刑に処され、その霊をまつったのが火あぶり観音だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。