澄んだ音を返すおかんの墓石
どんな伝承か
盛岡市の大泉寺にある「おかんの墓石」を小石でそっと叩くと、カーン、カーンと澄んだ音がする。高さ約一メートル、幅三十センチほどの古い花崗岩の墓石で、普通なら鈍い音しかしないはずが、この墓石だけは透き通った音を返すという。おかんは南部藩の武士の一人娘で、父が戦に敗れて自刃した後、家来の三平と夫婦になって盛岡へ来た。盛岡城の普請で人夫として働いていた三平が怪我をして生活に窮すると、かねてよりおかんに執心していた組頭が言い寄る。おかんは夫を殺せば意に従うと答え、その夜、三平に変装して身代わりに殺された。澄んだ音色は、おかんの泣き声とも夫を呼ぶ声ともいわれる。
原典より
盛岡市の大泉寺にある「おかんの墓石」を小石でそっと叩いてみると、カーン、カーン・・・・・・という澄んだ音がする。—— 心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。