お堂に帰りたくて火事を起こした阿弥陀
どんな伝承か
江部の阿弥陀堂にまつられている阿弥陀さんの話。明治二十七年ごろ、五月と十月に火事がたびたび起こった。村じゅうで夜回りをしても原因はわからず、易者に占ってもらうと、そのころ法運寺に預けられていた阿弥陀堂の本尊が、早く自分のお堂へ帰りたくて火事を起こしているのだというお告げが出た。そこで村ではすぐにお堂を建て直して本尊を迎え、祭りをしたところ、火事はぴたりとやんだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。