焼死した一家と六匹の幽霊ボタル
どんな伝承か
大正五、六年ころの話である。今の大湊駅の辺りは一面の草原で、そこに星山という一軒家がぽつんと建っていた。ある晩その家が火事になり、一家六人がみな焼け死んだ。翌年の夏から、毎年夏になると大きなホタルが六匹、屋敷跡に飛び交って、ほかへは動こうとしなかった。毎年のことなので、大湊の人々は星山の幽霊ボタルと呼んで気味悪がったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。