ヤスで退治された大入道のタヌキ
どんな伝承か
昔、田名部と東通村目名を結ぶ道に悪いタヌキがいて、夜にここを通る人をおどかしていた。目名のある男が田名部の用を済ませて夜道を帰ると、道の真ん中に六尺もある大入道が立ちふさがって通れなかったという話もあった。何かと田名部へ出る目名の人々には困りものだった。あるとき、村一番の度胸者が、今夜は出そうだと言って魚を突くヤスを持って出かけた。やはり大入道が道をふさいでにらみつけたが、男はぎらつく目のあたりを突いても無駄だと考え、下腹のあたりへヤスを突き入れた。大入道はぐっと妙な声を上げて逃げ去り、それからタヌキの害はなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。