流木に化けた大蛇と管田の蛇神
どんな伝承か
百年ほど前、その年も大雨で管田へ渡る一本橋が流され、千五沢の人々は田の見回りにも行けなくなった。水が引いて甚平爺様が田を見に行くと、ちょうど一本の松の木が両岸に渡っていた。それを伝って田を見た帰り、木がぐらりぐらりと揺れて危うく川へ落ちかけた。どうにか岸に着いて振り返ると、松の流木と思ったのは大蛇で、赤い舌を出して襲いかかろうとしていた。甚平は家に逃げ帰って七日七晩寝込んだ。話を聞いた人々は、集落を守る神に違いないと金を出し合い石の祠に祀った。祠は今も管田の峰に建つという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
平田村史 第3巻 (民俗編)(平田村史)
『平田村史 第3巻(民俗編)』の昔話と伝説の章から、伝説と世間話の節を抜き出したものである。福島県石川郡平田村の大字・字ごとに、八幡太郎義家や日本武尊にまつわる地名の由来、河童石、姥捨ての十石山、平堂内の大蛇、鶴殺し南兵衛、狐に化かされた村人の話などを収める。阿武隈の山あいの村に残る、石と塚と小さな祠にまつわる伝えが中心である。