大蛇を祀った月の輪の宮
どんな伝承か
南北の鷹狩山のあいだの堀切に棲む大蛇を見た者は、たいてい気がふれるか熱を出して寝込むといわれ、村人はひどく恐れていた。そこで不安を取り除こうと相談し、南鷹狩山の北の角に小さな祠を建てて大蛇を祀ると、それからは一度も姿を現さなくなった。ところがその後、そこで月を眺めると月に輪がかかって見え、宮のまわりの木を伐るとけがをするという。炭焼きがそこの木を伐って下敷きになり死んだこともあった。土地の人はこの宮を月の輪の宮と呼んでいた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
八坂村誌 民俗編・民俗編資料
『八坂村誌 民俗編・民俗編資料』の口頭伝承の節から、伝説と昔話を抜き出したものである。長野県大町市八坂(旧北安曇郡八坂村)の大姥山と鷹狩山の山姥・金時の伝え、池の主と大蛇、城跡と長者屋敷、狐・狸・むじな・山犬・天狗・河童の話、社寺の由来、雨乞いの伝えなどを、集落ごとの聞き書きで収める。犀川の谷あいの山村に残る、山と獣と水にまつわる話が中心である。