鳥上坂を前に石になった蛙
どんな伝承か
山形市畑谷の大沼にすむ主の蛙が、白竜湖の主になろうと思い立ち、真夏の炎天下を旅してきた。暑さに参って途中でひと休みし、やっと川樋までたどり着くと、田で草取りをしていた百姓に白竜湖への道を尋ねた。百姓は汗をぬぐって腰を伸ばし、十年坂と、鳥しか越えないという鳥上坂の二つを越えなければ着かないと教えた。ここまででも難儀だったのに、まだ難所が二つもあると聞いた蛙は、腰が抜けて座り込み、そのまま石になったという。また、峠を越えて村山から来た旅の僧が、鳥上坂を指して名を尋ね、十年坂だと聞かされて、十年もかかるのでは越えられないと蛙石になったという話もある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南陽市史 民俗編
『南陽市史 民俗編』の伝説の節を抜き出したものである。山形県南陽市の白竜湖の由来と東正寺の僧の話、金沢の三坂(七両坂・泣坂・薄雲坂)、猫の宮の猫、二色根薬師、赤湯温泉の起こり、吉野の大黒岩と千人塚、珍蔵寺の鶴、三堀観音などを収める。置賜盆地の湖と温泉と山の寺にまつわる伝えが中心である。