七両坂の名の二つの由来
どんな伝承か
金沢には七両坂・泣坂・薄雲坂の三つの坂がある。昔の金沢では金が掘られ、鉱石を量った天秤屋や、酒屋が並んだ酒屋前という地名が残る。七両坂は月ノ木から金沢へ入る坂で、名の起こりは二通り語られる。一つは、上杉の金山役として来た若い侍と赤湯の町の鍋と呼ばれる女が末を誓ったが、約束の日に侍は現れず、女は金沢の番所を目指した。急な坂なので背負子を雇って登り、気前よく七両を払ったが、会えたかどうかは分からないという。もう一つは、坂本屋と佳吉屋という女を置く酒屋に入りびたった若者が、六日も遊んで一文も払えず、親が泣く泣く払った額が七両だったからだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南陽市史 民俗編
『南陽市史 民俗編』の伝説の節を抜き出したものである。山形県南陽市の白竜湖の由来と東正寺の僧の話、金沢の三坂(七両坂・泣坂・薄雲坂)、猫の宮の猫、二色根薬師、赤湯温泉の起こり、吉野の大黒岩と千人塚、珍蔵寺の鶴、三堀観音などを収める。置賜盆地の湖と温泉と山の寺にまつわる伝えが中心である。