赤いもやの童子と若木大権現
どんな伝承か
延暦元年の四月、仏の教えを広めて歩いていた伝教大師がこの地を通ると、山の頂に赤い雲がたなびき、山全体が赤く見えた。わけを尋ねられた村の老人は、昔たきぎ取りに山へ入ったとき赤い気が立ちのぼるのを見て、驚いて斧を投げ出したところ、赤いもやの中にかわいい童子がいたが、見つめるうちに消え、晴れたあとには一本の若木が立っていたと語った。大師が祈ると赤いもやが満ち、晴れると赤く光る岩の前に若木が生えていた。大師は、童子は幼子で若木を表し、赤い気は疱瘡の兆しだから、この岩は疱瘡を守る神の体だと告げ、若木大権現として崇めよと言ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東根市史 別巻 上 (考古・民俗篇)
『東根市史 別巻 上(考古・民俗篇)』の伝説と民話の節を抜き出したものである。山形県東根市の藻が湖と東根・西根の地名、黒伏山の御穴と竜灯、御所山の天狗と甘露水、自牧寺の七妖怪と夢窓国師、マリア観音、若木神社の縁起、大滝の大カツラと乱川の起源、三ッ屋の竜灯や人形渕などの民話を、項目ごとの箇条で収める。