生きて仏となった不白の塚
どんな伝承か
昔、間山の菅田の薬師堂に、不白と呼ばれる徳の高い僧がいた。非業の死を遂げた親の仇を討とうと諸国を巡るうち、仇討ちを重ねても人の苦しみは尽きないと悟って仏門に入った人だという。間山では堂を守って里人に慕われたが、何年か後、生きたまま仏になりたいので止めないでほしいと告げ、堂の脇の深い穴に入った。何十日も穴の底から読経と鉦の音が響いたが、やがて途絶えた。里人は嘆き悲しんで穴を大石でふさぎ、塚を築いた。今も塚のそばの法華塔には「不白血書」の文字が刻まれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第5巻 総説 1 (概説)
『長野県史 民俗編 第5巻 総説1(概説)』のことばと伝承の章から、伝説の節を抜き出したものである。長野県全体の伝説を、デーラボッチャ・小泉小太郎・甲賀三郎・黒姫・八面大王・鬼女紅葉・ものぐさ太郎・弘法大師・白米城・早太郎・猫檀家・かっぱ・逆さ木・池の主・人柱・首塚などの題ごとにまとめ、本話のあとに県内各地の類話を地名つきで並べる。県史の地域編と重なる話も多い。